Dorsacharm’s Venomous Colours

EP(2000)/From:ポーランド/Style:シンフォニック

Eclipse EP

【Track】
1.Introduction to the Hymns
2.Shadowland (Battle for the Throne)
3.Dance with…
4.The Wolf’s Resin
5.Epilogue (Requiem)

【Review】
星の数ほど”Eclipse”と言う名のバンドが存在するが、コレはポーランド産の二人組のシンフォニック・ブラック・メタル。

非常に叙情メタル色が強く、ゴシカルかつ、暗黒ロマンに満ち溢れた一枚。香り立つ程の色気を帯びた甘美なギター・ソロを大胆に奏でるのが最大の特徴と言えるだろう。よって、非常にリリカルで美麗な音源である。

加えて演奏技術も達者であり、プログレッシヴな印象すら感じられる。また、丁度いい頻度で美しい女性コーラスも交え、暗黒ロマン溢れる音源の中でもポテンシャルは高い部類に位置するだろう。ブラック・メタルが持つネクロな部分は随分と控えめだが、乱舞する甘美極まりないメロディとシンフォニックなシンセが絡み合い、暗黒ロマンスを爆発させる好盤である。

あくまでメロディ重視派に大推薦。EPだが26分ほどのボリューム。

 

The Act of Degradation

1STフル(2002)/From:ポーランド/Style:シンフォニック│ファスト│メロディック

Eclipse 1ST

【Track】
1.Creeping Seed (Intro)
2.Hydra’s Scaffold
3.The Mirror
4.The Lord of Burning Heaven
5.The Act of Degradation
6.The Venom
7.The Stream of Scarlet Tear
8.The End of Light’s Era
9.Belamor (The Flower of Eternal Pain)
10.Versuvia
11.The Wizard
12.Earth’s Gate
13.Crop of Despair

【Review】
ファストなメロディック・ブラック・メタル路線にガツンと舵を切った感じである。

時折、聴かれる甘美で色気あるギター・メロディは健在と言えるが、打ち込みドラムが大幅にスピードを上げてしまい、結果的にリリカルな部分が前作と比べ希薄になったとも言える。アルバムの後半に行くほど、前作の感覚を徐々に取り戻していく流れだが、聴いた当時は”あぁ~こっちの方向に行っちゃったか”と思ってしまった音源である(笑)

とは言え、実に垢抜けた印象で、楽曲クオリティや演奏技術などは相当高く、前作同様、技巧派である事をしっかりとアピールしている。縦横無尽に動きまくるギターリフがテクニカルなメロデスを彷彿とさせ、そこにシンフォニック・ブラック・メタル要素を練り込んでいくので、コレはコレで凄いし、個性もしっかり出せている。まぁ、前作同様、クオリティが高く、安心して聴ける音源に違いない。身も蓋もないが結局は好みの問題と言うことだろう(笑)筆者はデビューEPの方が好みである。

当時、あんまり話題に上らなかった記憶があるが、忘れられて埋もれていくには惜しいバンドの一つ。