Blood Must Be Shed

EP(1995)/From:ノルウェー/Style:ファスト│Raw

Zykron-B

【Track】
1.Mental Orgasm
2.Bloodsoil
3.Warfare

【Review】
ノルウェー・ブラック・メタル界の強者が集まり、ナチの毒ガス兵器の名を冠したプロジェクトである。メンツは【Emperor】のSamoth(Gt,Ba)、同じくIhsahn(Key)、【Satyricon】のFrost(Dr)そして【Dødheimsgard】のAldrahn(Vo)と実に豪華な顔ぶれ。ブラックメタラー垂涎モノの共演と言えるだろう。

楽曲の方はアグレッションを全面に出したRawでダーティな印象の音源である。特にAldrahnの吐き捨て型のヴォーカルが、ダーティさに拍車を掛け、Frostが叩き出す人間味溢れるRawなブラストも作品の全域に渡り最も際立っている。また、導入されるIhsahnのシンセも、比率は僅かでありながら初期【Emperor】を思い起こさせ、やはり強烈な印象を残す。Samothも地味でありながらプリミティヴなリフから一転、珍しくヒステリックなギターソロを切り込むプレイが#3で聴けたりもする。短い作品ながらも、しっかりと各プレイヤーの自己主張が感じらる作品であり、それらは#3”Warfare”にて顕著に表れている。今作の一番の聴き所だ。

ただ、3曲で10分というヤケに短いEPで、アルバムもリリースせずにプロジェクトが消滅したのが残念である。せめて一枚くらいフルで聴きたかった。後にSamothは【Zyklon】というデス・メタルをスタートさせるがこのプロジェクトとは一切関係がないらしい。

因みに再発盤は1曲追加されている。(筆者の所持しているのは初回盤なので3曲しか入ってない。トホホ)